恋の魔法と甘い罠Ⅱ
けれど晴希さんがそんなあたしの行動の意味に気づかないわけがなくて。



「隠すなって」



そっとあたしの手を緩めると、そのまま顔を覗き込んできた。



「やっ」



その視線から逃げるように顔をそらすけれど、晴希さんはそれをまた追いかけてくる。


そしてまた視線が絡むと、頬を包み込むように掌で覆う。



「やべ……、可愛くてしょうがねぇ」



掌がうなじに回り、今度は額にちゅっとリップ音を立てながらキスを落とす。


そのまま腰に降りてきた手で、ぎゅっと抱き寄せてきた。



「あとどれだけ?」


「……え? 何が?」
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