恋の魔法と甘い罠Ⅱ
「もう……分かってるくせに。晴希さんの意地悪」



唇を尖らせるあたしに、晴希さんはふっと微笑む。



「ははは。まあたぶんわかってるけど、玲夢の口から聞きてぇなぁ」



こうやって瞳をやさしく細めながらそう言われると、言わなければならないって思ってしまうから不思議だ。



「どうしても心配だって言うなら……あたしが、シて、あげる、から」



言いながら、火がついてしまったかのように頬が一気に熱くなる。


もうやだ!


恥ずかしすぎる!


このままの状態ではいられなくて、俯いたままくっついていた身体を離すように晴希さんの胸を手で押すけれど、それは腰に回っている手に力を入れられて阻止されてしまう。
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