恋の魔法と甘い罠Ⅱ
「うん」



小さく頷くと、晴希さんは立ち上がって凪さんに声をかける。



「ありがとな」


「いや、またいつでも来てくれよ」


「ん」



そしてあたしも凪さんにお礼を言う。



「凪さん、話を聞いてくれてありがとうございました。それから、晴希さんを呼んでくれたことも……」



心の中にあったもやもやが綺麗になくなったのは、こうやって晴希さんとちゃんと話をしたから。


それも凪さんが晴希さんを呼んでくれたからできたことで。


そう思うと、凪さんには感謝しかない。



「またいつでも晴希の愚痴を言いに来なよ。たまに発散しないとやってられないもんな」



頬を緩ませながらそう言う凪さんに、晴希さんはムッと唇を尖らせる。
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