恋の魔法と甘い罠Ⅱ
「まあ、そんな風に仲良くやってくれよ」



あたしたちのやりとりを見て、凪さんはやさしく微笑んでいる。



「ん」



けれど晴希さんはちょっぴり照れ臭いのか、人差し指で鼻の頭をぽりぽりとかきながら視線をそらしていて。



「また来ます」



晴希さんの代わりにあたしがそう言ってから『FLOWER RAIN』を出た。



指を絡めて手を繋ぎながら、あたしの歩調に合わせるようにゆっくり歩いてくれる晴希さんをそっと見上げる。



「ん?」



けれど、すぐに視線が絡んで晴希さんは首を傾げた。


わからないように見たつもりなのに、気づかれていたらしい。
< 431 / 491 >

この作品をシェア

pagetop