恋の魔法と甘い罠Ⅱ
以前あたしと付き合っていたということもあって、本当は榊部長を結婚式に招待するかどうか迷っていた。


けれど晴希さんの直属の上司を呼ばないのも不自然だし、それに今では晴希さんはとても信頼し、尊敬している上司らしく。


結局招待することになった。



「鮎川の体調はいいのか?」


「はい。絶好調です」


「ははは、それならよかった」



ガッツポーズを決めながら答えたあたしに、榊部長は可笑しそうに笑っている。


それを見て、晴希さんは心なしかムッとしているように見えて。



「どうしたの?」



こそりと訊いてみると晴希さんはぼそぼそと答えてくれた。
< 435 / 491 >

この作品をシェア

pagetop