血塗れの廊下【短編集】
すると母はものすごい勢いで、花子が寝ていた寝室のドアを開け
斧を花子に笑顔で見せました。
「ねえ、これ、素敵でしょう? 真っ赤に染まった斧、素敵だと思わない?」
狂い狂った母は満面の笑みで斧を頬に擦りながら言う。
そしてゆっくりと花子に近づいてゆきました。
恐怖、殺される恐怖、花子は震えながら部屋を飛び出し、外に出てゆきました。
全力で走ってゆく、花子に負けじと母も全力で花子を追いかけてゆきました。
…そして息を切らしながら、花子がたどり着いたのは家の近くの公園。
その公園のトイレに急いで駆け込みました。
-殺されたくない-
そんな言葉が脳裏を横切る…。