Luce+
第二章 衝突
生徒会室に帰ってきた私たち。やはり問い詰めるのは真面目な京華だ。

「お姉様、先程はどうしたのですか?突然かたまったりして…らしくなかったです。」

京華も私のことをいつも尊敬の眼差しで見てくれているので、京華の落ち込んだ顔を見ると私もなんだか申し訳ない気持ちになる。

「ごめんな」と京華の頭を撫でてやるが、これは納得しそうにない。だけど、こういうときはいつもすずがフォローしてくれる。

「京華~、ゆめこだってさ、たまには緊張するわよ。だ~け~ど~、さっきのは普通じゃなかったわよね、お姉様?」

いつもと違う。すずまで私を問い詰める。仕方がないから、2人には話すしかないんだろう。きっと2人なら分かってくれる。そう思って私は口を開いた。

事の次第を話す。以前のモデルですれ違った女の子の話。そして、その子が新入生の席に座っていたことを。

「お姉様が他人にご執心になるなんて珍しい。こんなこともあるんですねぇ。」

「で!お姉様はその子をどうしたいんですか!見てるだけでいいんですか!」

2人の視線が私を追い詰める。私だってどうしたらいいか分からないんだ。頭の中でぐるぐるとあの子の姿と、目の前の2人の姿がまわる。言葉が出てこない。

「お姉様、どうしたいんですの?」

すずが優しく問いかける。
そして、私の口からは思ってもないことが飛び出した。

「…生徒会に…スカウト…する…」

今の今までそんなこと全く考えてなかった。自分から出た言葉に驚いた。そうか、生徒会にスカウトすれば私はあの子の側に居れるのか。でもこんな不純な理由で生徒会に誘っていいものなのか…

ぐるぐるぐるぐると悩んでいたら京華の元気な声が生徒会室に響いた。

「分かりました!お姉様のためなら私、その子を調べあげます!!」

なぜだか私よりやる気の京華と、微笑んでいるすず。なんだか2人が背中を押してくれている気がして、心強くなってきた。

「2人は、いいの?」

生徒会は2年間この3人でやってきたのだ。今さら一人増えるなんて嫌がられないかと思ったが、この2人はやっぱりそんなことを言う人間ではなかった。

「そろそろ3人ってのも忙しすぎるって思ってたのよ。ちょうどいいわ。」

「私は!お姉様が喜んでくれるのなら!」

こう言ってくれる。2人が居てくれるから、私は1歩踏み出そうと決意した。あの、凛々しくも愛らしい彼女の元へ。
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