Engage Blues





「は…………い」



 上擦った返事にも、ますます嬉しそうに破顔する。
 その無邪気な表情に、こっちがくらくらですよ。


 もう心臓が爆発寸前なのに、慶さんは顎をとってキスしてくる。
 それも、すっごいディープなヤツを。

 ……あ、あれ?



「梨花。早く、ご両親に挨拶したい。すぐ籍も入れよう。もう待ちきれない」



 胸に抱き寄せられ、うっとりとした声音が落ちてくる。

 数秒後には、キスの雨が降ってきた。



 こ、こんなに情熱的なひとだとは知らなかった。



 ていうか、今までの慶さんは一応控えめだったらしい。
 この先、さらに甘さを増していく生活になろうとは、わたしは想像してなかった。


 生命の危機すら感じるほど、ベタベタに愛されるのだけれど……






 まぁ、それは別の話。









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