Engage Blues





 今日は水曜だけど、ふたりとも共通の貴重な休日なのだ。
 急いで意識を覚醒させる。


「あ、と、その、えと……」


 ベッドの中で、もぞもぞと動く。

 すぐにキッチンに向かいたいのだけれど、今のわたしは何も身につけていない。
 そのままにしろ、服を着るにしろ、慶さんの視線が気になる。
 きょろきょろと辺りを見回せば、昨夜脱ぎ散らかしたブラウスを彼が当たり前のように肩にかけてくれた。

 その一連の動作にどきまぎしながらも、伝えるべきことを思い出した。


「たぶん、いろいろ日用品が溜まってます。今日はまとめて買わないと厳しいかも……」


 必要なものは随時リストに書き出して、冷蔵庫の扉に張ってある。
 それを見ないことには何とも言えないけど、最近いろいろサボってた。

 洗剤とか、トイレットペーパーとか、ちょっとかさばって重いもの。


 ちょっと買い物に行ってきていいですか?
 と、言いかけた時だった。

「あー、なら……」

 慶さんが珍しく歯切れが悪い調子で考えてる。

 とりあえず答えてくれるのを待ってみた。





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