Engage Blues





 そういうひとだと頭では理解しているものの、いつまで経っても慣れない。

 どう反応すればいいのかわからず、ついマヌケに額に手を当てていれば、慶さんが肩に触れてくる。


「まず、朝食にしよう。シャワー浴びておいで。その間に用意しとくから」

「は、はい……」

 どもりながら、ずるずるとベッドから下りる

 シャワーも食事も問題ないですが、慶さんの視線が気になる。
 今、わたしが羽織ってるのはブラウス一枚なんですもの。


 いろいろと見られたくない場所が満載なので、裾を引っ張ったり、きょろきょろと後ろを見たりする。
 それが挙動不審だったのか、慶さんが真顔で訊いてきた。



「……もしかして、誘ってる?」

「い、いえ! まさか!」



 ぶんぶんと勢いよく首を振ると、口元を押さえてそっぽを向く。

 謎の動きに目を瞠れば、彼の肩が震えてることに気付いた。


「そこまで力いっぱい否定しなくても……」




 切れ切れの言葉で、笑いをかみ殺してるのが丸わかり。


 からかわれた……ッ!?







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