Engage Blues

描いた絵の思惑は、意外にくだらなさすぎです。











 昨日は散々だった。
 美由紀たちの襲撃により、夜遅くの帰宅。

 慶さんが風邪を引かないかが心配だ。

 しかも、あいつが開けた大穴は隠しようもなく、翌朝に発見されて警察沙汰になった。


 一応、捜査のため、お店は休業。
 店長から連絡をもらった慶さんは、「全く気付かなかったな……」とぼやいていた。

 今朝は、せっかくの休みなんだから風邪を引かないよう、温かくしてるようにと言い含めて、わたしは出勤したものの。


 そろそろ限界なのかもしれない。


 美由紀が現れた以上、隠し事するのが難しくなってきた。
 いっそぶっちゃけてしまおうか。


 でも、耐えがたい別れが待っているかもしれない。

 そんなのは嫌だと拒否してしまえば、結局は元の木阿弥となる。

 堂々巡りで一向に進展しないこの状況。



「……どうにかしなくちゃ」


 溜め息と一緒にこぼれた言葉。
 とにかく、現状を打破する解決策を見つけなければ。

 何もかもが最悪の事態に転がってしまう。



「だったら果たし合いに応じてください」

「それで、問題の半分は片がつくッス」



 すれ違い様の提案に、転びそうになった。






< 90 / 141 >

この作品をシェア

pagetop