私は、アナタ…になりたいです…。
お父さんが再婚するまでに2年もかけたのは、やはり亡くなったお母さんに対する後ろめたさや愛情が残っていたからだろう…と話した。
「…でもさ、二人とも本当に仲が良くて。これが自分の両親だと、誰にでも胸を張って紹介できそうな夫婦なんだ。
あの人達は僕の理想で、僕のことを考えて、自分達の絆となるべき子供は作らなかった。
意思が固くて弱くもない。子供なんか居なくたって、絆はすごく深いんだ。
『かごめ』の大将と女将さんみたいにね……」
「えっ⁉︎ 『かごめ』⁉︎ お二人も何か関係アリですか?」
意味が分からず聞き返した。
田所さんは、「この間の夜に初めて聞かされたんだけど…」と言って教えてくれた。
「大将と女将さんにも子供がいないんだって。女将さんが若い頃にがんを患って、子宮も卵管も摘出してしまったかららしい…」
ーー目を丸くしたまま、河佐咲知は黙り込んでしまった。
あの明るい女将さんからは想像もできない話を聞いて、深刻な雰囲気になりつつあった。
「…でもさ、二人ともサバサバしながら生きてる。後悔もしてなくて、いなせでカッコいい感じだよ。
こんな夫婦もいいな…と思った。咲知とならどんな夫婦になれるだろう…と思う」
「…でもさ、二人とも本当に仲が良くて。これが自分の両親だと、誰にでも胸を張って紹介できそうな夫婦なんだ。
あの人達は僕の理想で、僕のことを考えて、自分達の絆となるべき子供は作らなかった。
意思が固くて弱くもない。子供なんか居なくたって、絆はすごく深いんだ。
『かごめ』の大将と女将さんみたいにね……」
「えっ⁉︎ 『かごめ』⁉︎ お二人も何か関係アリですか?」
意味が分からず聞き返した。
田所さんは、「この間の夜に初めて聞かされたんだけど…」と言って教えてくれた。
「大将と女将さんにも子供がいないんだって。女将さんが若い頃にがんを患って、子宮も卵管も摘出してしまったかららしい…」
ーー目を丸くしたまま、河佐咲知は黙り込んでしまった。
あの明るい女将さんからは想像もできない話を聞いて、深刻な雰囲気になりつつあった。
「…でもさ、二人ともサバサバしながら生きてる。後悔もしてなくて、いなせでカッコいい感じだよ。
こんな夫婦もいいな…と思った。咲知とならどんな夫婦になれるだろう…と思う」