私は、アナタ…になりたいです…。
「どうして、ここに居るんですか⁉︎ 」
口から手を離す私を見つめ、彼はふっ…と微笑む。
『スマイル王子』ならではの仕草に、きゅっと心を鷲掴みにされそうになった。
「さっき社食の列に並んでた筈なのに、急に居なくなるから……探しに来たんだ」
曲げていた膝を伸ばして私の隣に座り込む。
手にしたパン屋の袋から明太子とチーズの乗ったパンを取り出しパクついた。
その様子を横から眺め、自分も同じようにサンドイッチの続きを味わう。
カサカサという紙の音以外、何も音がしてないような錯覚に襲われた。
「気持ちのいい天気だね」と言う田所さんに目線を向けた。
「外でないと季節は感じられないね…」と話す彼に、「そうですね…」と短く相槌を打つ。
公園内の様子を見つめている人の目には、秋の景色が写っているようだった。
ジョギングする人や読書をする人に混じり、自分と彼が座っている。
どことなく時が止まった様な静けさに、ホッとしている自分がいた。
「河佐さんは、よく此処に来るの?」
急に落とされた視線に戸惑い、「いえ、あの…」と呟きながら他所を向いた。
「極たまに。社食が混んでる時とか…」
夏以外は結構来ていることを内緒にした。
一人で此処に来る時は、大抵物思いに耽りたい時。
後は……誕生日に必ず此処へ来た。
「ふぅん、そうか…」
米粉パンを味わいながら田所さんが頷く。
その様子を横目で捉え、サンドイッチを食べ終えた。
口から手を離す私を見つめ、彼はふっ…と微笑む。
『スマイル王子』ならではの仕草に、きゅっと心を鷲掴みにされそうになった。
「さっき社食の列に並んでた筈なのに、急に居なくなるから……探しに来たんだ」
曲げていた膝を伸ばして私の隣に座り込む。
手にしたパン屋の袋から明太子とチーズの乗ったパンを取り出しパクついた。
その様子を横から眺め、自分も同じようにサンドイッチの続きを味わう。
カサカサという紙の音以外、何も音がしてないような錯覚に襲われた。
「気持ちのいい天気だね」と言う田所さんに目線を向けた。
「外でないと季節は感じられないね…」と話す彼に、「そうですね…」と短く相槌を打つ。
公園内の様子を見つめている人の目には、秋の景色が写っているようだった。
ジョギングする人や読書をする人に混じり、自分と彼が座っている。
どことなく時が止まった様な静けさに、ホッとしている自分がいた。
「河佐さんは、よく此処に来るの?」
急に落とされた視線に戸惑い、「いえ、あの…」と呟きながら他所を向いた。
「極たまに。社食が混んでる時とか…」
夏以外は結構来ていることを内緒にした。
一人で此処に来る時は、大抵物思いに耽りたい時。
後は……誕生日に必ず此処へ来た。
「ふぅん、そうか…」
米粉パンを味わいながら田所さんが頷く。
その様子を横目で捉え、サンドイッチを食べ終えた。