私は、アナタ…になりたいです…。
(ほらね。…だからやっぱり不似合いなんだって…)
金曜日には距離が近づいたように思えても、やはり遠いことを実感する。
付き合って…と言われたのも少しの間だけのことで、チャンスを与えて欲しいなんて言葉もわざわざ私には言わなくてもいいの。
選り取り見取り、誰だって選べる人なんだからーー。
(分かってるのに……だから、最初から憧れるだけで良かったのに……)
募り始めると想いは止まらなくて、ついつい入ってもいないメールボックスを確認してみたり、新着問い合わせをしてみたりする。
自分からは何も行動を起こさないくせに、田所さんばかりに期待している。
『さっきはご心配かけてすみません』の一言でさえもハードルが高すぎて、私には打てない。
話したそうにしていた人の声を止めさせる様な顔を見せてしまったのに、それすらも言い訳できない。
後ろ向きな性格が嫌。
もっと自信を持って、前を見たいのに見れない自分が嫌。
田所さんみたいに笑っていたいだけなのに。
張り付いた様な過去の傷が、いつまでも自分を落ち込ませてくる。
田所さんが本気で私を好きになってくれる訳がない…と思ってしまう。
だったらあっさり、自分からフラれに行った方がマシ。
そして、もう二度と高望みな恋はしないんだーーー。