柚と柊の秘密






「あ……あの……」




あたしが震える声を発した時……




「柊、すげーな!!」




優二君が突然大きな声を出す。

その声が大きすぎで、あたしはビクッと飛び跳ねた。





「やばいよね、数日で完成出来たの?」




完成って、何?

ただ止まらずに弾けるようになっただけじゃん。

お父さんの音とは、情けないくらい違う。

それに、まだ他に三曲もあるんだよ?




心の中で突っ込んだ。

だけど、優二君や慎也君を見ていると何も言えなくて。




「あの……あれでいいの?」




恐る恐る聞くと、二人はこくこくと首を縦に振った。



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