柚と柊の秘密





「ほら、健吾も何か言えよ!」




言わなくてもいいのに、優二君が余計なことを言う。



やめてよ。

またけなされるのがオチだよ。




「健吾、柊に散々酷いこと言ったじゃん」




慎也君もダメ押しをして。

あーっ、もうそこまでにして!

もう聞きたくないよぉ!




「あ……あた……俺ッ!!」




無理矢理何かを言わないといけないと思い、口を開いた時……





「昨日も言ったが……

悪かった」




健吾君はあたしを見ようともせず、静かに言う。

そんな健吾君を、あたしはじっと見ていた。




「俺が悪かった。

戸崎のこと何も知らずに貶したりして」



「うん?」




思わず間抜けな返事を返すあたし。

優二君と慎也君はごくりと息をのんだ。




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