柚と柊の秘密




「戸崎さん、今日は来てくれてありがとうね」




山形はそう言って、肩をすくめて笑う。

その様子がまた女の子らしくて。

いちいち反応してしまう俺がいた。



そして……

なんで来たのだろう。

疑問に思ってしまう。

俺は山形になんて深く関わりたくない。

ましてやプライベートだ。

断れば良かったものを。




返事に困る俺。

だんまりの俺を見て、また山形がふふっと笑った。

そんな山形の様子に耐えきれない俺。

苦しまぎれに吐いていた。




「どうして今日はそんなに女らしいんだ?」



「え?」




驚いたように俺を見る山形。

その半開きの唇に吸い込まれそう。

馬鹿、そんな表情するなよ、山形のくせに。



< 122 / 363 >

この作品をシェア

pagetop