柚と柊の秘密





「なんで俺なんだ?」




そう言うと、山形さんは顔を赤くして恥ずかしがるように首をすくめて口を開いた。




「前はそんなでもなかったんだ。

戸崎さんが浅井さんからあたしを助けてくれて。

浅井さん、すごく怖い人なのに、戸崎さんは毅然としていて。

強いんだな、かっこいいんだなと思ったんだ」



「そっか……」





はぁー。

なんだか素直に嬉しいな。

だって、これって俺がしたことだから。

山形、俺の行動に惚れちまったか。

そう思いながら、はっと気付いた。

なんで喜んでるんだ、俺。

山形なんて願い下げなのに。




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