柚と柊の秘密
健吾君はあたしを見て、ため息をつく。
そして、衝撃的な言葉を吐いた。
「戸崎。
……お前、戸崎柊じゃないだろ」
「え?」
途端に凍りつく。
ドクドクドクドク……
あたしの鼓膜は、心臓の音をこれでもかというほど拾う。
好きだからドキドキしている。
今はそんな余裕なんてなかった。
まずい。
まずいよぉ。
「なっ……なんで?」
なんて言おう。
ここは何としても否定しなきゃ。
あたしはね、こんな変態なマネしてることを、健吾君には知られたくないんだ。
絶対健吾君に嫌われるから!
「おお俺のこと疑ってるの?」
そんなことを言うあたしを、健吾君は返事をせずじっと見る。
あたしの馬鹿。
健吾君は疑ってるに決まってるでしょ!
もももう、こうなったら何としても乗り越えなきゃ!
「おおお俺、脱ごうか?」
きっといける!
あたしはAカップだし、今はブラもしてないし!
それで信じてくれたらしめたものだ。