柚と柊の秘密








帰ってくるなり部屋に閉じこもってしまった柚。

今日はバンドの練習のはずだ。

何があったんだろう。

柚、俺と違って不器用だもんな。

そんなことを思いながら、俺は冷凍庫からいちごアイスを取り出す。

そして、それをほおばった。




甘いアイスは恋の味……

なんてことを考えて、ふと我に返る。




恋の味……

なはずねーよ!

俺は恋の味なんて知らない。

少なくとも、相手は山形じゃないんだから。

明日は久しぶりにイケメンな俺に戻って頭を冷やさないと。

そのためには、柚と話す必要がある。

だけど、今の柚とはとても話し辛い。

……っつーか、柚を泣かせだけど奴、どこのどいつだよ?



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