柚と柊の秘密





「はぁ!?」




思わずカッとなって聞き返す俺。

そんな俺を、柳はしっかりと見た……睨んだ。





敵対心剥き出しで、思わず怯む俺。

そして、柳はゆっくりと口を開く。






「あいつ……

お前の妹、血を流しながら頑張ってるのに。

なのにお前はそのザマか。

謝るのはあいつじゃない、お前だ」



「はぁ?」



「あいつに無理矢理ギターさせて。

お前が妹に謝れ」



「ふざけんな」




そうは言ったものの、柳の言うことはもっともだと思う。

柚は俺の無理な提案を受け入れて、真面目にギターを練習している。

俺はというと、浅井に喧嘩売ったりで柚に迷惑かけてばかり。

それなのに、俺は柚にちゃんと謝っていない。

柚は優しいから。

俺の言うことは何でも聞いてくれるから。

だから、柚に甘えてしまっていたんだな。

最低だ、俺。






俺は自虐的に笑っていた。

柳は何も言わず、俺に背を向けて去っていった。

俺は笑いながら、柳の背中を睨んでいた。




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