柚と柊の秘密
「明日からしばらく、俺にならね?」
「……え?」
何言ってんの?
柊、いつものタチの悪い冗談だよね?
固まるあたし。
そんなあたしに、ウィッグをポンと投げる。
柊そっくりの、茶髪チャラヘアのウィッグだ。
「なっ……何!?
こんなんで通用すると思ってんの?」
焦ったあたしに、余裕の柊。
「だーいじょーぶだって!
俺様イケメンだけど、背低いし!
てか、柚と瓜二つじゃん!」
何なの、俺様イケメンって!
自覚してんじゃないよぉ、馬鹿!
それにね……
柊の狙いは……?
「あたしに化けて、女の子に近付くつもり?」
「あっ!それいいな」
柊はけらけら笑っていて。
「からかうのはやめてよ!」
あたしは怒っていた。
だけど、柊はなおも上機嫌で。
あたしに衝撃的なことを吐いた。