柚と柊の秘密
窓際に、真帆と春菜が立っていた。
「おは……よ……」
あたしが挨拶すると、あたしと関わりたくないかのように横を向く。
……分かってるよ。
あたしと関わると、新たなターゲットになるかもしれないからでしょ?
あたしだってきっと二人と同じことをしていた。
だけど……
やっぱり寂しいよぉ。
教室にいれなくて。
あたしは廊下へ出る。
その瞬間……
「!?」
後頭部に鈍い痛みを感じる。
続いて、冷たい感触。
頭から首元にかけて、ぬるっと何かが濡れ落ちた。
な……何!?
恐る恐る触ると、べったり黄色のものがつく。
生卵だ。
漫画で見る、卵を投げつけるいじめ。
そんなことが本当にあるなんて。
あぁ、気持ち悪いし寂しいし、もう嫌だよぉ。
やっぱりあたしにはいじめなんて無理だ。