柚と柊の秘密




俯きながら、その集団の横を通り過ぎた時……

ぐっと急に手を引っ張られる。




「!?」




思わず顔を上げ、彼らを見てしまった。




浅井さんと同じクラスの男子たち。

派手で関わりたくない人たち。

そんな彼らがニヤニヤ笑いながらあたしを見ていた。





「戸崎柚とヤっていいって言われたよなー」



「やべー。俺、好きだったんだよな」




え……?

なにそれ。

なにその軽いノリ。




「顔はいいよな」




やめてよ。




「証拠写真も撮って、ばら撒いてやろ」



「や……やだ!!」




とっさに状況を理解し、あたしは手を振り払う。



だが……


バシッ……


左頬がジーンと熱くなる。

続いて鈍い痛みが襲う。

そして、殴られたことに気付く。


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