柚と柊の秘密
「あたしはやだ!
あたしは真帆と春菜と平凡生活してればいいの!」
「あぁ、あの地味な友達たちか?」
「地味とか言わないの!
それに……
あたしだってギターやったことない!!」
「大丈夫だって!
だって柚、音感リズム感は親父譲りじゃん」
「でも……」
あたしが口ごもったのが最後、柊は満面の笑みであたしに言う。
「じゃ、そういうことでよろしく!」
よろしくじゃない!
「ギターは親父の持ってけばいいし、明日から親父に教えてもらえばいいし!」
「何なの、その他力本願!」
あー。
イライラするよぉ。
柊のこの脳天気な性格!
なんであたしがやらなきゃいけないの?
それに、バレたらあたしたち笑い者だよ?