柚と柊の秘密
柚に戻って数時間で心が折れかけたあたし。
こんな生活を毎日送っている柊は、本当に尊敬だ。
弱いあたしには無理だから、今日は帰ろうかな。
そんなことを考えていたが……
「戸崎さん!」
教室に入るなり、心配そうな顔で駆け寄ってくる女子。
そう、山形さんがいたのだ。
「戸崎さん、ごめんね。
部室寄ってたら遅くなって。
戸崎さん、酷いことされたんだよね?」
山形さんは自分のことのようにあたしを心配してくれて。
そんな山形さんの存在に、じーんときた。
柊、山形さんのこと散々言ってたよね。
だけど、本当にいい人じゃん。
どうして山形さんを責めるんかな。
そんなことを思いながら、
「大丈夫だよ、ありがとう!」
山形さんに笑顔を返す。
山形さんのおかげで心が軽くなった。
よく考えたら、あたしはひとりぼっちじゃないもんね。
山形さんもいるし……
健吾君だって。