柚と柊の秘密





「え……」




ぽかーんとなって優弥おじさんを見る。

優弥おじさん、もっと厳しい表情をして、容赦なく駄目だしするのかと思ったよ。

だけど、おじさんは思いの外優しい顔をしていて。





「柚ちゃんのお父さんの言った通りだね。

柚ちゃん、上手だ」




なんて言ってくれた。




お父さんがそんなこと言っていたの?

それに……

優弥おじさんが褒めてくれたの!?

開いた口が塞がらない。






「あの……あたし……まだまだ……」




優弥おじさんはあたしを見たまま、優しい顔で笑った。

優弥おじさん、こんな顔するんだぁ。

少し驚くあたし。

そして、なんだか嬉しくなる。





「柚ちゃん、さっきも言ったよね。

はじめは誰でも下手なんだよ。

でも、柚ちゃんはすごく練習頑張ってるね」




優弥おじさんはそう言って、あたしの前に座る。

そして、その大きな手であたしの頭をわしゃわしゃと撫でてくれた。

なんかお父さんみたい……



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