柚と柊の秘密
「あ、柚ちゃん?」
お父さんは去り際に、振り返ってあたしを見た。
そして、いつもの笑顔を浮かべる。
「柚ちゃん。
練習はいいけど、他にすることを見失ってはいけないよ」
「え?」
どういうことだろう。
あたしはお父さんをまじまじと見る。
「柚ちゃんは高校生なんだから。
だから、柚ちゃんの将来のために必要な勉強もしないと」
お父さん、たまには真面目なことを言うんだ。
それより、進路。
あたし、考えてないなぁ。
来年には三年生になるのに。