柚と柊の秘密
時間は過ぎ、ようやく放課後になる。
山形は部活だろうな。
一人で帰ろうと歩いていた俺の耳に入ってきた言葉。
その言葉に耳を疑った。
「山形みどりが連れていかれた」
は?
「山形、戸崎柚のことを庇ってうぜーからさぁ」
なに?
「山形には何度も忠告したのに。
戸崎柚から離れろって。
そうしたら、俺たちに楯突いて、戸崎からは離れないっつって」
あの馬鹿……
何度も言ったのに、俺から離れろって。
こうなるのは分かってたんだ。
俺一人のことでも大変なのに、また手間かける気かよ。
でも……
嬉しかった。
山形が俺から離れないと言ってくれて。
それが例え、柚としての俺でも。