柚と柊の秘密
放課後……。
あたしは優二君に連れられて、健吾君のクラスにいた。
教室にはほぼ人は残っていなくて。
健吾君の机の周りに、優二君と慎也君、そしてあたしが座る。
こんな時まで柊はモテるらしく、
「ヤバっ!柊君がいるよ」
「柊君っ!文化祭絶対見に行くよぉ」
なんて甘い声をかけられる。
そして、
「ありがとう」
といちいち反応するあたしがいた。
こんなあたしを見て、ため息をつく優二君。
「本っ当に柊は羨ましいぜ」
いやいや、結構大変なんだけどなぁ。
「だけど柊のおかげで、文化祭はたくさん客が集まりそうだ」
あたしもそう思う。
だからこそ頑張らなきゃ。
柊のためにも……あたし自身のためにも、最高の演奏をしなきゃ。