柚と柊の秘密







ザーッ……






激しいシャワーの音がひたすら響き、辺りは静寂に包まれた。




奴らは簡単に戦いを放棄し、尻尾を巻いて逃げた。

弱い奴ら。

それに比べて……






「山形……」




愛しい女を呼ぶ。

こいつは……

こんなにボロボロになってまで、俺を見捨てなかった。

すげー女だ。




全身びしょ濡れになって、足からは血を流していて。

そして、寒さで震えている山形。

濡れたブラウスはその身体に貼りつき、健康的な身体を浮き上がらせる。




柔らかな二の腕、ふっくらした胸元……。

こんな時なのに、身体が熱くなる。

そして、俺は手を伸ばし……

山形を抱きしめていた。




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