柚と柊の秘密





健吾君と並んで歩く。

あたしより背が高くて、すらっとしている健吾君。

その横顔を盗み見て頬を赤くする。

かっこいいな、健吾君って。

クールでスマートで。

柊とは大違いだよ。





そんなことを思っていると、




「柚」




不意に名前を呼ばれてドキッとする。




まずい、あたし、ずっと健吾君を見ていることがバレたんかなぁ。






健吾君はあたしを見下ろした。

初めて会った時は苦手だった、その切れ長の瞳。

だけど今は大好き。

その目で見られるだけで、身体中の血液が沸騰しそうだよぉ。





悶えるあたしとは裏腹に、




「ごめんな。色々と迷惑かけて」




謝る健吾君。




「なっ、なんで?」




思わず健吾君に聞き返していた。




健吾君、最近いつもあたしのことを気にしてくれているな。

はじめは怖い人かと思ったけど、すごく優しい。

正義感が強い人なんだろうなぁ。



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