柚と柊の秘密
「あの……柚……?」
もじもじと話しかけてきた真帆ちゃんと春菜ちゃん。
こいつらは柚と特に仲が良かったはずなのに、こいつらまで……
俺の怒りに火がついた。
俺は真帆ちゃんと春菜ちゃんを睨む。
そして、
「お前ら、どういうつもりだ」
凄んでいた。
真帆ちゃんと春菜ちゃんは顔を見合わせ、困った表情を浮かべる。
何だよその打ち合わせたようなやり取り。
マジイラつくぜ。
「悪いけど俺、今後お前らと関わるつもりなんてねーよ!」
俺はそう言い捨てて教室を出た。
俺が外へ出た瞬間、ざわざわとなる教室。
また俺の悪口でも言ってるんだろう。
平和に暮らしていた柚には申し訳ないけど、これ以上クラスの奴らにはつきあってられねーよ。
友達ごっことかうんざりだ。
それに比べて山形は、いじめられても俺を庇ってくれた。
そんな芯の強い山形に、ますます惹かれてしまう。