柚と柊の秘密
そんなわけで、さらに練習をしないといけないと思うあたし。
今日はあたしの家での初めての全体練習。
放課後、四人で集まって、あたしの家へ向かった。
「やべー。
柊の家、ドキドキするな」
自分で言い出しておきながら、そんなことを言う優二君。
あたしだってドキドキだよ。
ずっとこの柊の格好していなきゃいけないし。
きっと、お父さんもお母さんもまた変な顔で見てくるよ?
「それに柊の親父さん、ドラムセットまで用意してくれたんだよな?」
そうなのだ。
「お父さんの友達の賢一おじさんのだけど……」
あたしはもごもごと呟いた。
あたしの微妙な反応とは反対に、大いに盛り上がる優二君と慎也君。
「柊の親父さん、さすが顔が広いなぁ」
「だよね!
それに、もしかしたら柊のお父さんにも会えるかもしれない」
「すげーよな。
有名人だもんなぁ。
でもちょっと怖そう」
「分かる!
お父さんも柊みたいにクールでチャラいんでしょ?」