柚と柊の秘密
な……なに、それ。
お父さん、やっぱりそう思われてるんだ。
確かに柊はクールでチャラい。
でも、お父さんは柊とは性格全然違うよぉ。
ただ、Fがクールなバンドなだけで。
そう思ったが何も言えなかった。
あたしの頭の中はそれどころではなかったから。
今日の練習にはもちろん健吾君も来る。
付き合っていないとはいえ、あたしの好きな健吾君を両親に合わせるのも恥ずかしい。
お父さんやお母さんにバレないかな。
バレたらどんな反応するんだろう。
そんなこと、考えられなかった。
あぁ、やっぱりあたし、秘密だらけだ。
こんなあたしの心の中なんて知るはずもなく、
「さぁー!
坊主にならないように、今日も頑張るぞ!」
優二君は気合いを入れて叫んでいた。