柚と柊の秘密




あたしは賢一おじさんともしょっちゅう会うため、何も気付かなかった。

お父さんはもちろん、賢一おじさんも有名人だってこと。

あたし以外の三人は固まっていて。

そして、優二君はガタガタと揺れている。





「お……俺に貸してもらえたドラムって……」



「?」



「け……玄さんのドラムですか!?」





賢一おじさんはそれがどうかしたのかと笑っていたけど、優二君は真っ青になっていて。





「おおお俺みたいな下手な奴に……」




喉から声を絞り出す。




「きききっと、お高いですよね。

ももももし壊したら……」



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