柚と柊の秘密






「あれ?

山形、ゆう……艶のこと好きなの?」





意外だった。

艶こと優弥おじさんはチャラくていかつくて。

だから、山形の嫌いなタイプかと思っていた。






山形は少し顔を赤くする。




「はじめはあんまり好きじゃなかったけど、この本を読んだらファンになって。

チャラチャラしてて女好きなイメージだったけど、根は真面目で責任感が強い人だと思って」



「そっか……」




何も言えない俺。




チャラチャラしてて、女好きだった俺。

俺に優弥おじさんみたいな逆転のチャンスはあるのだろうか。





考え込んでいる俺の耳に、思わぬ言葉が飛び込んできた。




< 272 / 363 >

この作品をシェア

pagetop