柚と柊の秘密
「あれ?
山形、ゆう……艶のこと好きなの?」
意外だった。
艶こと優弥おじさんはチャラくていかつくて。
だから、山形の嫌いなタイプかと思っていた。
山形は少し顔を赤くする。
「はじめはあんまり好きじゃなかったけど、この本を読んだらファンになって。
チャラチャラしてて女好きなイメージだったけど、根は真面目で責任感が強い人だと思って」
「そっか……」
何も言えない俺。
チャラチャラしてて、女好きだった俺。
俺に優弥おじさんみたいな逆転のチャンスはあるのだろうか。
考え込んでいる俺の耳に、思わぬ言葉が飛び込んできた。