柚と柊の秘密







「柊!!」




名前を呼ばれ、ビクッと飛び上がる。




やばい!

あたし、考え事しすぎて周りが見えていなかった!






すでに授業は終わったようで、教室はいつものようにざわついていた。

あたしの前には優二君がいて、怪訝な顔であたしを見ている。





「柊、どうしたんだ?

……今日の柊、おかしい」




優二君はそんなことを言う。

だからあたしは慌てて首を横に振り、なんでもないと言う。




「それより、文化祭、とうとう来週だよね。

頑張ろうね!」




そう言うと、笑顔になる優二君。

なんだかほっとする。

プロ云々の前に、今は文化祭だよね。

気合い入れ直さなきゃ。





そう思って何気なく頭を触った……

あたしの手に、滑らかなものが触れた。




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