柚と柊の秘密
ため息をついて屋上の扉を開けた時……
信じられないものを見た。
優二と……
頭を押さえた柚。
俺の制服を着て、俺そっくりのウィッグを付けた頭からは、ひとすじの長い髪が出て、風に靡いていた。
……は?
状況が飲み込めない。
俺は口をあんぐりと開いたまま、二人を見ていた。
俺の馬鹿。
とっさに扉を閉めればよかったのに。
危険なのは優二ではなく、里穂ちゃんだから。
だけど……
「柊……」
優二君は俺を見て、掠れた声で呼ぶ。
俺の後ろで里穂ちゃんが、
「えぇっ!?」
悲鳴のような声を上げる。
やばい、絶対絶命。