柚と柊の秘密
「ちょっと、戸崎さん……」
柊と可愛い女の子が話しているのを横目に、優二君があたしを呼ぶ。
ドクドクドクドク……
心臓はいまだに鳴り続けていて、身体の震えも治らない。
優二君は驚くほど冷静で、というより、いつも以上に冷静でとても怖い。
何を考えているんだろう。
どんな言葉を浴びせられるんだろう。
今まで優二君はあたしと仲良くしてくれた。
一緒に練習も頑張ったし、褒めてくれたし。
こんな優二君を裏切ったのは他ならぬあたし。
だから、何を言われても仕方がない。
頭では理解しているのに、やっぱり怖い。