柚と柊の秘密
優二君はあたしを屋上へ続く階段の踊り場に連れていった。
そして、改めてあたしを見る。
その視線が怖くて、思わず俯向くあたし。
そして……
「ごめんなさい……」
震える声で謝った。
謝って済むことではない。
でも、謝るしかなかったのだ。
優二君、なんて言うだろう。
やっぱり解散かな。
それとも、坊主決定かな。
嫌な妄想だけが思い浮かぶ。
なんて言ったら分かってくれる?
いや、分かってくれるはずないよね。
だけど、健吾君は肯定的だった。
むしろ、あたしに同情してくれた。
だから……
そう思ったのだが……
やっぱり現実は甘くない。
「困るんだよな、そういうの」
優二君は再び静かにそう言った。