柚と柊の秘密





いい気になっていた。

柊の人気なんて大したことないと思ってしまって。

でも、今のあたしには油断大敵。

この油断が命取りになってしまうのだ。





気付いたら、もうサッカーは始まっていて。




「柊!」




名前を呼ばれ、慌てて振り向いた。




青い空を背景に、白と黒のサッカーボールが近付いていて……





「……っ!」




あたしはとっさに目を閉じ、身を縮めた。






頭にすごい衝撃が走る。

脳みそがすっからかんになるのではないかと思うほど。




何やってんの、あたし。

ボール、頭にぶつかったんだ。

これで完全にアウトだ。

キャプテンの柊は、こんな無様な姿、晒すはずがない!



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