柚と柊の秘密




山形の顔が、一瞬固まった。

きっと、女同士で何を言ってるんだと思ったのだろう。



だけど……



満面の笑みを浮かべる山形。

そして、




「そうなんだ。

じゃあ、あたしが邪魔をしてはいけないね」




なんて言い出す。





馬鹿!

邪魔してくれよ。

俺、悪いけど、里穂ちゃんじゃ駄目なんだ。

山形じゃなきゃ駄目なんだよ。





必死な俺。

いつからこうも一途で熱い男になってしまったんだろう。

今までは、来るもの拒まず、去るもの拒まずだったのに。

それなのに、今はどんな女子よりも、山形が魅力的なんだ。

ペチャパイで、ショートカットで、女らしくない、だけど、優しくて、芯が強くて、自分をしっかり持っている山形が。



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