柚と柊の秘密






「柊じゃなくて、戸崎さんがメンバーで良かったかもしれない」



「え……」



「だって柊、不真面目じゃん。

柊がちゃんと練習するとも思えないし。

戸崎さんだから四曲とも完璧に仕上がったんだな」




その言葉が嬉しくて。

でもやっぱり申し訳なくて。




「ごめんなさい!」




優二君に深々と頭を下げる。

そんなあたしに、




「頑張ろう」




優二君は言ってくれた。




「坊主にならないように、最高の演奏をしよう!」



「……うん!!」




笑顔で頷く。





優二君にはすごく迷惑をかけた。

でも、頑張ろうって言ってもらえて嬉しい!

仲間だと思ってもらえて嬉しい!

あたし、頑張るから。

絶対、みんなを坊主にはさせないよ。





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