柚と柊の秘密






高鳴る胸を押さえ、必死で平静を装う。

そして、山形に告げる。




「柊のライブ、見に行かないか?」



「戸崎の……?」




山形はなんだか難しい顔をした。

こんな山形を見て、ズキンとする俺の胸。

分かっていたけど、山形は俺が嫌いだ。

俺のライブなんて興味がないんだ。

だけど次の瞬間、笑顔で俺を見る山形。

その笑顔を見るだけでホッとする。

安心したのも束の間、




「里穂ちゃんと行かないの?」




なんて言われて、俺の頭の上に10トンハンマーが降ってくる。




そうだよな、山形、誤解してるもんな。

俺が里穂ちゃんと付き合ってるって。





ショックに打ちひしがれる俺。

そして、俺はとうとう暴挙に出た。



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