柚と柊の秘密
「お前と行きたいんだよ!!」
とうとう血迷ったか、俺。
八方塞がり、だけど狙うのは逆転シュート。
躊躇うくらいなら、突っ込んでやる。
今しかチャンスはないんだから!
「俺は、山形とライブに行きたい!」
「戸崎さん……」
山形は、少し頬を赤くして俺を見る。
分かってやってんのか、その表情。
もう、マジで罪な女。
ここまで俺を狂わせて、ただじゃおかねぇから!
俺は山形の手をぎゅっと掴む。
やっぱり身体に電流が流れる。
心臓が最大限の血液を送り出す。
火照る身体で山形の手を引き、俺は体育館に駆け込んだ。
柚、頑張れ!
俺も、頑張れ!