柚と柊の秘密









「……崎!戸崎!!」




呼ばれ、はっと我に返る。

あたしの前には心配そうな顔をした、優二君、慎也君、そして健吾君がいて。




「すごい汗だ。……大丈夫か?」




優二君がタオルを差し出した。




タオルを受け取っても、身体の震えは止まらない。

汗をかいていることすら分からず、むしろ酷く寒い。

まるで地獄にいるみたいで、絶望が次々と襲ってくる。







「どうしよう……あたしのせいで……」




あたしは、うわ言のように言葉を発していた。




「あたしのせいで……」



「坊主なんて、気にしないでよ」




慎也君はいつもの柔らかい笑みを浮かべている。




「ヤバいことがあったら、俺、全力でカバーするから」




優二君もそんなことを言ってくれる。



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