柚と柊の秘密






山形は驚いて俺を見る。

でも、やっぱり暗くて表情が見えない。

もどかしい。

山形の顔をはっきり見たいのに!





「……なんで?

戸崎、あんなにチャラチャラしてたじゃん」





ズキッ……



胸が痛む。

そして、今さらながらに女癖の悪さを後悔する。

だけど……負けない。







「柊、好きな女いるんだって」



「え?」




山形の少し驚いた声が聞こえる。

そして、



ドキドキドキドキ……



俺の鼓動も急激に速くなる。






きっと、ライブを迎える柚と同じくらい緊張している。

俺、フラれるんだ。

その前に、秘密を明かしたら変態扱いだ。

でも、このまま引き下がるわけにはいかない。

逆転シュートに賭けているから。




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