柚と柊の秘密
「馬鹿か。俺様はもとからカッコイイ」
「はぁ?ウザい」
いつものやり取り。
だけど、
「ありがとね、戸崎」
山形は俺の手を握ったまま言った。
「いつも助けてくれて、ありがとう。
味方してくれて、ありがとう。
正義を曲げないあんたが、本当にかっこ良かった」
「それは俺の台詞」
「だけど……
浮気したら許さないからね」
「しねーよ!!」
俺は山形と笑っていた。
ここ一ヶ月、柚になってから一番幸せな気分だった。
ありがとう、山形。
愚かな俺を好きになってくれて、ありがとう。
これからは喧嘩するんじゃない、二人で楽しんでいこうな。