柚と柊の秘密
みなぎる力。
後ろを向くと、優二君が笑顔であたしを見た。
右奥には慎也君。
緊張して顔をしているが、何だか楽しそう。
そして、右隣……
ステージの真ん中にいる健吾君を見た。
こんな時なのに、思い出してしまう。
好きだ、柚。
健吾君は確かにそう言った。
その健吾君の言葉が、健吾君の存在が、あたしの力になる。
大好きだよ、健吾君。
今気付いた。
あたしが健吾君に罪滅ぼしをするんじゃない。
あたしは健吾君から力をもらっていたんだ。
今、あたしが輝けるのも、健吾君のおかげ。